マスターカード、金融機関向けに仮想通貨機能を提供するサービス開始

https://jp.cointelegraph.com/news/binance-launches-500m-lending-project-to-support-crypto-miners サイトより

マスターカード、金融機関向けに仮想通貨機能を提供するサービス開始

マスターカードは10月17日、金融機関が仮想通貨取引機能とサービスを顧客に提供できるようにするための新しいプログラムを正式に発表した

「クリプト・ソース」と名付けられたこのプログラムは、仮想通貨の購入、保有、売却を可能にするもので、マスターカード独自ソリューションにより、セキュリティとコンプライアンスをより強化しているという。

このツールは、マスターカードのパートナーであるパクソス・トラスト・カンパニーと協力して立ち上げられ、2022年第4四半期に開始される予定だという。パクソスは世界的な決済大手ペイパルに同様のサービスを提供していることで知られている

今回の提携では、パクソスが銀行に代わって暗号資産の取引と保管サービスを提供し、マスターカードは仮想通貨取引を銀行のインターフェースに統合するための技術を展開する。

マスターカードは近年、さまざまな仮想通貨やブロックチェーン関連の取り組みに積極的に取り組んでいる。2022年1月、マスターカードはコインベースと連携し、コインベースNFTのユーザーがマスターカードのカードを使って買い物ができるようになると発表した

2021年10月、Mastercardはデジタル資産企業のBakktと提携し、米国在住の顧客がカストディアル・ウォレットを通じてデジタル資産を売買・保有できるようにしている。

ハイパーインフレ下のベネズエラ、人々は日常生活でどのようにステーブルコインを使っているか

ハイパーインフレ下のベネズエラ、人々は日常生活でどのようにステーブルコインを使っているか

コインテレグラフは先月、リザーブのネビン・フリーマンCEOと、決済分散型アプリケーション担当コミュニティマネージャーのイェンス・ミッチェル氏にインタビューを行い、ステーブル通貨へのアクセスを提供するという同社のミッションについて話を聞いた。さらに最近になって、ベネズエラとコロンビアを拠点とする2人のユーザーと話をした。2人は、リザーブの利用でポジティブな体験を共有している。

リザーブは、ベネズエラ・ボリバルのような不換通貨を、リザーブ(RSV)ステーブルコインを介して米ドルと交換するためのツールである。リザーブによれば、ラテンアメリカでは日常的な買い物から家族間の送金まで、その使用事例がますます増えているという。ベネズエラ、コロンビア、パナマ、アルゼンチンの市場に投入されてから1年が経過した現在、このアプリは週に10万人を超える利用者を集め、決済手段として8000社以上の業者に受け入れられている

リザーブの顧客であるサーシャ・アントゥネスさんとアリシア・ステファニーさんは、日常生活におけるこのアプリの役割と、ベネズエラの経済状況について、それぞれの意見を聞かせてくれた。ベネズエラのマラカイに住む精神科医のアントゥネスさんは、家庭と職場の両方でリザーブを利用している、自称「リザーブ・レンジャー」である。ステファニーさんはコロンビアのボゴタで暮らすベネズエラ人で、まだベネズエラに住んでいる家族を支援するためにリザーブを使っている。

アントゥネスさんは、日常的な支出でどのようにリザーブを使っているのか説明してくれた。

「アプリにリザーブドルを保存している。例えば、スーパーマーケットへ行かなければならない時に、20ドルほど持っていたとする。それを両替して銀行口座にボリバルを入金することで、スーパーマーケットにあるどんなものの支払いにも充てることができる。だが、ボリバルをリザーブドルに変え、それをUSDTに変えられることも知っている」

大部分の顧客は、お金を貯めておくためにリザーブを利用している。現地通貨で給料を受け取っている場合、米ドルであれば価値が下がる心配をしなくてもよいからだ。現地通貨で何か買う必要があれば、いつでも換金し直すことができると、アントゥネスさんは説明する。業者が対応していれば、RSVステーブルコインで直接支払うことも可能だ。ほとんどの人は、それが仮想通貨に関係しているとは気づいてさえいない。ステファニーさんも同様である。

「ベネズエラ・ボリバルは価値が下がるのが速いので、ボリバルを持っている場合は、それを守るためにできるだけ早く交換する必要がある」と彼女は説明し、例を挙げた。彼女がコロンビア、父親がベネズエラにいて、「私が父のものの代金を支払う必要があった場合、単にスーパーマーケットで必要なものと交換するだけでなく、私が余分に持っているドルを買ってくれる人をいつも探していた。だから、馴染みのスーパーマーケットや薬局の人たちを説得して、リザーブをダウンロードしてもらった」という。

記事公開時点において、このプロジェクトのiPhoneアプリは、ベネズエラのアプリストアの金融カテゴリーで最も多くダウンロードさたアプリになっている。他の仮想通貨取引アプリ「バイナンス」と「メタマスク」も、トップ10に入っている。

国境なき医師団が医療記録の保管にブロックチェーン技術を活用

https://jp.cointelegraph.com/news/doctors-without-borders-is-now-using-blockchain-tech-for-medical-record-storage サイトより引用。

国境なき医師団が医療記録の保管にブロックチェーン技術を活用

ブロックチェーンを使った文書セキュリティ企業であるトランスクリプト(Transcrypts)は11日、10月14日に開始した国境なき医師団(DWB)とのパートナーシップを発表した。国境なき医師団は、すでに6500件の予防接種記録をブロックチェーンにアップロードしており、2022年までに76,000件を目標としているという。

記録された予防接種のほとんどは新型コロナワクチン。最終的にはすべての患者の医療記録をブロックチェーン上に保存し、患者の携帯電話からアクセスできるようにすることが目標。カリフォルニアを拠点とするこのトランスクリプトは、昨年、サンノゼ州立大学で電気工学を専攻していたザイン・ザイディによって設立された。現在、Paychex社、ADP社、Zoom社、Spirit Airlines社、Oracle社などが同社の顧客だ。

トランスクリプトは、人事担当者向けの履歴書詐欺対策ツールとしてスタートし、その後、家主向けの収入証明書の作成にも進出。現在は、自らをフルサービスのドキュメンテーションサービスと謳っている。今回の国境なき医師との提携は、同社にとって初の医療記録への活用だ。

ザイディ氏は、発展途上国における患者の医療記録へのアクセス性について、ブロックチェーンは多くの不必要な死を防ぐ上で大きな助けになると述べた。

「インドでは、患者の医療記録にアクセスできないことが原因で、毎年70万人以上が死亡してる。インドでは、医師が患者の包括的な医療記録にアクセスできれば、これらの死の大部分を防ぐことができたはずだ。今回のパートナーシップにより、国境なき医師団とトランスクリプト社は、このような命の損失を軽減できる未来を築いていきたいと考えている」

「バーターエコノミー」構築にブロックチェーン活用 アルゼンチンで農業資産をトークン化

https://jp.cointelegraph.com/news/tokenized-agriculture-could-provide-economic-relief-to-argentine-farmers サイトより引用

「バーターエコノミー」構築にブロックチェーン活用 アルゼンチンで農業資産をトークン化

通貨が下落しているアルゼンチンの脆弱な経済は、新型コロナウイルスによるパンデミックの中で、同国の農業部門に不安感を与えている。食料価格が高騰する中で国内の消費者を優先させるという目的で、アルベルト・フェルナンデス大統領が昨年末にトウモロコシの輸出制限を決定。これに対し1月、収入が圧迫される農家側が大反発し、1日当たりの制限を決めて輸出を認めるなど農作物を巡って経済が混乱している。

アルゼンチンでは2020年12月に大豆と小麦などの輸出制限の方針が報じられており、これにも農家の反発があった。アルゼンチンでは農業が輸出総額の60%、GDPの10%を占めていることを考えると、農民の不安が高まることは経済をさらに不安定にさせることにつながるだろう。

アルゼンチンペソが暴落する中で、農家を助ける手段として技術主導型のソリューションを模索する人が出ている。コアレジャー(CoreLedger)とアバカス(Abakus)はアルゼンチンの農業者間でブロックチェーンベースの「バーターエコノミー(物々交換経済)」を構築するためのP2Pマーケットプレイス立ち上げを計画している

このマーケットプレイスでは農業資産をトークン化することで、農家がインフレに対するヘッジ手段や国内外の流動性にアクセスが可能になるという。農家がトークン化した商品をプラットフォーム上に掲載し、別のトークン化された商品と交換できる。これによって地域の生産物を裏付けとした通貨が作られるとしている。

アバカスのマーティン・フルストCEOは、現金や株をベースとした貯蓄プランではなく、農作物を使うことで現物裏付けの資産となり、ステーブルコインのように機能するという。そのため、アルゼンチンのように通貨の切り下げに見舞われるような新興国に特に適していると主張する。

SBIがスイス証券取引所子会社と合弁会社設立、シンガポールでデジタル資産の発行や取引業務

https://jp.cointelegraph.com/news/sbi-establishes-a-joint-venture-with-a-subsidiary-of-the-six

より引用。

SBIがスイス証券取引所子会社と合弁会社設立、シンガポールでデジタル資産の発行や取引業務

SBIホールディングスは8日、同社の完全子会社のSBIデジタルアセットホールディングスがスイス証券取引所を運営するSIX子会社のSIXデジタルエクスチェンジ(SDX)と合弁会社を設立したと発表した。シンガポールで機関投資家向けにデジタル資産の発行・取引・保管の各機能を提供する。

SDXはスイスを中心に欧州でデジタル資産むけの取引・決済代行サービスを提供している。有価証券やその他資産をトークン化することで今まで取引できなかった資産を取引できるようにしている。

新設企業では「デジタル証券や暗号資産などのデジタル資産の機関投資家の需要に直接的に応えること」を目的とし、「シンガポールの法制基準に合致したトークンの発行や上場、取引サービスに加え、保管や振替などの総合的な機能の提供を通じたデジタル資産のさらなる流動性拡大と機関投資家向けのサービス拡大」を目指すという。

2021年にシンガポールでの業務を開始し、2022年に正式サービス開始を目指す。

昨年10月の習主席によるブロックチェーン発言後、中国企業のブロックチェーン特許申請が大幅増

https://jp.cointelegraph.com/news/blockchain-patent-filing-rose-significantly-in-china-after-xi-jinpings-2019-endorsement から引用。

昨年10月の習主席によるブロックチェーン発言後、中国企業のブロックチェーン特許申請が大幅増

中国のメディアが最近発表した数字によると、中国の企業は全世界のブロックチェーン特許申請の半分以上を占めている。

「2020 ブロックチェーン産業開発報告書」というタイトルのレポートによると、中国企業は習近平国家主席がブロックチェーンを推進していくと宣言した後、4435件のブロックチェーン関連特許を申請した。このレポートは、清華大学、北京大学、中国通信研究所が共同でまとめたものだ。

習近平主席は2019年10月末、イノベーションの中核として、ブロックチェーン技術の導入を加速させていくと語った。中国政府のトップによるブロックチェーン推進宣言は、世界中に衝撃を与え、仮想通貨相場も大きく動いた。

今回の調査によると、中国のハイテク大手のアリババグループは、2020年に200件ものブロックチェーン特許を申請しており、企業としては最大の数を誇っている。またこれは、同じ期間にIBMが申請したブロックチェーン特許の10倍にものぼるという。

主要な多国籍企業も、中国でのブロックチェーン特許申請に大きな関心を示している。

今年4月の中国メディアの報道によれば、マイクロソフトやウォルマート、インテル、ソニーなど35社の多国籍企業が、2020年3月時点で合計212のブロックチェーン特許を申請していた

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

「仮想通貨ビットコインは過小評価されている」14000ドル到達も=ブルームバーグ

https://jp.cointelegraph.com/news/bloomberg-bitcoin-is-stabilizing-at-6x-the-price-of-gold
より引用。

ブルームバーグは4日に発表した8月の仮想通貨(暗号資産)レポートの中で、ビットコイン(BTC)価格は金(ゴールド)1オンスに対して、6倍の価格推移で安定していると指摘した。金とビットコインの相関関係が高まっており、ビットコインがデジタルゴールドとして機能していることを強調した。

Bitcoin and Gold price chart

(出典:トレーディング・エコノミクス「ビットコイン(オレンジ)と金(青)の価格チャート」)

ビットコインは14000ドルに

ブルームバーグはこれまでにも、ビットコインはデジタルゴールドとなる寸前だと主張している。ビットコインの供給量が限られていることや、成長率が低いことなどからビットコインが金と本質的に類似した性質を持っていることを理由としている。ブルームバーグはこうした性質だけでなく、両資産の間で価格の相関関係があることを指摘した。

「金1オンスあたりの約6倍で安定して推移している。ビットコインの相関性が高まり、貴金属と比較してボラティリティが低下していることは、価格が上昇するための持続的な関係を示していると考えられる。世界中の中央銀行の量的緩和は準通貨にとって追い風となり続ける」

現時点では、なぜ金とビットコインの価格に数学的な関係性が見られるのかは不明だ。しかし、もし現在の関係が今後も続くなら、ビットコインは14000ドルまで上昇する可能性がある。ブルームバーグは金については「1オンス3000ドルに向けて金は上昇する可能性がある」と見ている。

ビットコインは過小評価

ブルームバーグはさらに、ビットコインが現在過小評価されているという考えを裏付ける指標があるという。

「8月4日のコインメトリックスが示した、ユニークアドレスの30日平均は、2017年のオートスケールベーシスで11000ドルだったのに対し、ビットコイン価格は14000ドルを超えている」

レポートではグレイスケールのビットコイン投資信託(GBTC)の拡大がビットコインの利用可能供給量を減少させる要因になると指摘。「過去1年間のGBTCの流入は新たなビットコイン供給の3分の1を吸収している。もしペースが収まらなければ、吸収率は50%に近づき、供給量が減少するだろう」として、押し上げ要因になるとしている。

また、今後の予測として、ブルームバーグは「ゼロ金利とマイナス金利」が先行するなかで、ビットコインの上昇を妨げる何かが発生する可能性が高いとした。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

中国でブロックチェーン関連の給与が倍増、経験者の平均給与は60万円ほどに

https://jp.cointelegraph.com/news/blockchain-salaries-in-china-are-exploding-in-value-as-the-industry-expands
より引用。

中国の求人プラットフォームが発表した最新のデータから、ブロックチェーン関連の給与が中国全土で急増していることがわかった。ブロックチェーン分野のスペシャリストへの需要が高まりを見せている。

チェインニュースは中国の求人・就職活動サイトである智联招聘(Zhaopin)のデータから、「数百社」の企業がブロックチェーン関連の求人を出しており、月給が平均で2万元(約30万円)が提示されていることを報じた。昨年の平均給与から倍増している数値だ。

この給与は未経験といった経歴のほか、職種も総合して計算されており、ブロックチェーン分野で3年以上の経験がある場合や複数の能力や起業経験がある場合は月給は大きく上がり、平均して3万元〜4万元(約45万円〜60万円)ほどになるという。特に現在、インターネットやゲーム関連企業からブロックチェーン企業への流入が増加しているという。

一方で、3月に新浪財経が報じた「2020年 中国ブロックチェーン専門能力開発レポート」では、中国では2019年にブロックチェーン専門家の2019年の平均給与は18年比で37%減少したことが明らかになっている。

ただ、給与は減少したものの、様々な業界からブロックチェーン専門家の需要が増加していることを指摘しており、需要と供給の不均衡が生じているとしている。智联招聘のデータと合わせて考えると、経験者のマッチングが難しくなっているのかもしれない。

レポートでは求職者が急増しているにも関わらず、採用企業の求人要件を満たす人材は実際には非常に少ないことも指摘している。

ブロックチェーンにかけるテック企業

中国では2020年5月にブロックチェーン関連の仕事が公式に政府公認となった。中国の人力資源社会保障部政府の労働政策・規制を担当する部署)が「ブロックチェーンエンジニアリング技術者」を公式に認められた職業リストの中に加えた。

ブロックチェーン関連の仕事としては、ブロックチェーンアーキテクチャの設計やブロックチェーンアプリの開発、技術コンサルティングといったものが例示されている。

英国では年収1000万

ブロックチェーン関連の職種の給与は世界的に高給になっている。レンディング企業のキャピタルオントップ(Capital On Top)の調査では、イギリスでブロックチェーン関連の仕事の平均年収は7万5000ポンド(約990万円)となっている。

調査によると、バーチャルリアリティや3Dプリンティング、ビッグデータ、人工知能といったディスラップティブなテクノロジー産業全体の年収について調査し、その中でブロックチェーン関連が最も平均年収が高かったという。

また、カナダでも2019年のブロックチェーン業界の給与は国内最高水準になっているとのレポートも出ている

半減期に向けて仮想通貨の取引量が増加|4月30日は過去2番目の高水準

https://jp.cointelegraph.com/news/halving-hype-drives-second-strongest-spot-volume-on-record  より引用

明日にも控えるビットコインの半減期に向けて仮想通貨の取引量が急増している。

仮想通貨データ企業のクリプトコンペアがこのほど発表した今年4月のレポートによると、4月30は1日の取引量が過去2番目に高い日だったことがわかった。662億ドル(約7兆円)相当の取引量となった。

30日は9000ドルのレジスタンスを突破し、1000ドル以上の急騰を見せた日だ。

クリプトコンペアによると、取引の73%(483億ドル)が小規模な取引所で行われ、残りの179億ドルが大手取引所で取引されたという。

Picture

(出典:CyptoCompare)

取引量が多い上位3社の仮想通貨取引所であるバイナンス、OKEx、コインベースの取引総額は全体の10.4%で、ぞれぞれ36億ドル、25億ドル、8億1800万ドルだった

市場でのテザー(USDT)のドミナンス(市場占有率)は拡大しており、同トークンとのペアはビットコインとステーブルコインや法定通貨などとの取引全体の74%を占めている。

Volume between BTC and stablecoins or fiat currencies: CryptoCompare

(出典:CyptoCompare「ビットコインとステーブルコイン・法定通貨の取引量」)

デリバティブ取引ではバイナンスが唯一増加

レポートによると、過去最高の取引量を記録した3月から取引量が増加したのはバイナンス1社のみだった。

バイナンスの月間デリバティブ取引量のは11.6%増の1080億ドルを記録。これまでトップを維持していたビットメックスは40%減少し、693億ドルとなった。ビットメックスは3月の暴落時にサービス拒否攻撃(DDoS攻撃)によってアクセスできなくなり、ユーザーが離れたことが響いた格好だ。

フォビは3月から10.5%減少したが、1330億ドルで首位、OKExも同31.4%減の1130億ドルだった。

3月全体ではデリバティブ取引量は合計で25%減少し、4560億ドルとなった。

また、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコインオプションの想定ボリュームについても5月5日に202契約と想定元本で過去最高を記録したことが、仮想通貨データ企業のスキュー(Skew)から明らかにされている。

EUの2020年ブロックチェーン支出は一時減少、パンデミック後の回復を指摘=IDC予測

https://jp.cointelegraph.com/news/idc-eu-blockchain-spending-will-see-temporary-drop-due-to-covid-19 より引用

米市場調査会社IDCは5月5日、EU圏における、今後数年間のブロックチェーン関連支出予測を下方修正すると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によるものだが、この減速は一時的と説明。新型コロナとの戦い、回復プロセス支援の面でブロックチェーン採用例が見られ、その利点を示せる可能性を指摘した。

2019年8月、「世界ブロックチェーン関連市場支出ガイド(2H18)」において、ブロックチェーンソリューションに対する支出額(世界)は、2023年に約160億ドル(約1兆6908億円)に達すること、また2018年~23年までの5年間にわたる年間平均成長率(CAGR)は60.2%で、堅調に成長すると予測していた。

またEUにおけるブロックチェーン関連支出は、2020年に14億ドル(約1493億5000万円)、2023年までのCAGRは58%と健全に成長すると予測していたという。IDCは、ブロックチェーン関連支出は若干減速し、EU市場の2020年支出は前回予測より約8%減少すると予測しているそうだ。

IDCヨーロッパのブロックチェーン・プラクティス責任者のカーラ・ラ・クローチェ(Carla La Croce)氏は、次のように説明した。

「顧客需要の低迷、サプライチェーンの混乱、リモートワーク(テレワーク)の広範な普及が重なっており、ブロックチェーンを含む革新的なプロジェクトについては、将来が明確になるまで多くの企業が保留にしている」

一方IDCは、IDC公式ブログにおいて、新型コロナとの戦い、また回復プロセス支援の面でブロックチェーン採用例が見られ、複数ユースケースでその利点を示せる可能性を指摘した。

サプライチェーン・マネジメント

パンデミックにより、安全性への懸念から多くの工場が操業停止する中、特に医薬品に関し極端に高い需要が発生した。この影響により、多くのユーザーや医療関係者・患者が、出所や品質が不明な医療品の供給を受けざるを得ない状況となっているそうだ。

IDCは、従来のサプライチェーンが不透明性を払拭しきれず、供給予測・計画変更が困難となっていることが原因だと指摘。ブロックチェーンを利用することで、透明性を備えた単一の情報源、さらにセキュリティが提供可能となると説明した。パンデミックをきっかけに展開を始めたブロックチェーンの多くが、サプライチェーン・マネジメント関連となっているという。

プレスリリースにおいてクローチェ氏は、「サプライチェーンの信頼性・透明性・経路追跡においてブロックチェーンがもたらすメリットを考えると、2020年のブロックチェーン関連支出は一時的に減速するだけで、パンデミック緩和後はすぐに回復すると予想している」と述べた。

濃厚接触検出・追跡(コンタクト・トレーシング)

ブロックチェーンは、患者データの収集と照合をより効率的に行うとともに、患者の動向監視およびソーシャル・ディスタンスを保証し、さらに患者のアイデンティティを保護するために使用できるという。ブロックチェーンの場合、中央システムの権限が及ばず、ユーザーが個人的なデータを管理できると指摘した。

IDCによると、EUのプライバシー専門家チームが、Bluetoothを利用した、ブロックチェーン基盤の分散型濃厚接触検出・追跡(コンタクト・トレーシング)システムを提案しているという。EUの法律家・疫学関係者・エンジニア・研究機関らが協力し設計したオープンソースのプロトコル「分散型プライバシー保護近接追跡(DP3TまたはDP-PPT。Decentralized Privacy-Preserving Proximity Tracing)」を採用しているそうだ。

災害救援・金融ライフライン

IDCによると、世界中の政府が実施した強制的なロックダウン(都市封鎖)は、ほとんどの企業に大きな打撃を与え、実店舗の閉店や必要不可欠な商品以外の需要の急落に追い込んだという。多くの政府が、急激な景気後退の防止策として、融資・金融面におけるライフラインを提供しているそうだ。

ブロックチェーンは、保険業界などですでに利用されており、仲介者や処理遅延を排除し、複雑な申請・承認プロセスの簡素化・短縮に貢献している点を指摘した。処理時間の短縮、コスト削減、運用リスク低減、迅速な決済などのメリットが得られるという。